Nの鑑賞ログ
TOPへ

きみに読む物語

おすすめ度
4 / 5

あらすじ

1940年代のアメリカ南部を舞台に、身分差を超えた青年ノアと令嬢アリーの恋愛を描いたラブストーリーです。現在と過去が交互に描かれる構成で、ニコラス・スパークスの同名小説が原作の2004年公開映画です。

ネタバレ無し

二つの時代を行き来するラブストーリー

本作は療養施設で老人が認知症の老女に物語を読み聞かせる「現在」と、1940年代のアメリカ南部サウスカロライナで起きた若い男女の恋愛を描く「過去」が交互に描かれる構成になっています。過去のパートでは、材木工場で働く青年ノア(ライアン・ゴズリング)と夏を過ごしに来た裕福な家の令嬢アリー(レイチェル・マクアダムス)の出会いから始まる恋愛が丁寧に描かれます。物語を聞き進めながらだんだんと「現在」パートとの繋がりが見えてくる構造になっており、後半の展開で一気に意味が重なってきます。

ライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムス

主演の二人はこの作品の撮影中に実際に交際していたことでも知られています。若い頃のノアとアリーの関係がリアルに見える背景にはそれもあるかもしれません。ゴズリングはこの映画で恋愛映画の顔として広く認知されるようになり、以降「ラ・ラ・ランド」などでも同様の役どころを演じています。老年のノアをジェームズ・ガーナー、老年のアリーをジーナ・ローランズが演じており、二人の落ち着いた存在感が現在パートの重みを支えています。

1940年代の空気と舞台設定

本作の魅力の一つは1940年代のアメリカ南部の雰囲気の再現です。夏の川辺、古い家屋、戦時中の時代背景などが映像的に美しく、二人の恋愛を包む舞台として機能しています。身分差や家族の反対という古典的なメロドラマの設定を当時の社会的文脈の中に置くことで、純粋なラブストーリーにとどまらない奥行きが出ています。

ネタバレ有りはこちら

ネタバレ有り

老人と老女の正体

物語は療養施設で老人が認知症の老女に本を読み聞かせる場面から始まりますが、終盤まで二人の関係は明かされません。物語が進むにつれ、老人が読んでいる話が彼自身とその妻の若い頃の恋愛だったことが分かります。老女がアリーで老人がノアという構造が明かされるとき、「過去」パートの切なさが一気に押し寄せてくる作りになっています。

引き裂かれた恋と365通の手紙

アリーの両親、特に母親は身分差を理由にノアとの交際を認めず、二人は引き離されます。ノアはアリーに毎日手紙を書き続け1年で365通を送りましたが、すべて母親に隠されていたため一通も届きませんでした。長い時間が経ってアリーは別の男性ロン・ハモンド(ジェームズ・マーズデン)と婚約しますが、新聞でノアが二人で住む予定だった家を再建したという記事を見て会いに行きます。

再会と選択

ノアとの再会でアリーはまだ彼を愛していることに気づき、最終的にノアを選びます。婚約者ロンは誠実な人物として描かれており、傷つきながらも身を引きます。悪役がおらず善良な人同士が誰かを傷つけることになる構図になっていて、単純なハッピーエンドとはいえない複雑な後味があります。アリーの母親も最後に手紙を渡し、過去の行動への反省のようなものを見せます。

認知症とラスト

現在パートでアリーは認知症で自分の人生を覚えていません。ノアが毎日彼女に若い頃の物語を読み聞かせるのは、そこに記憶が戻る瞬間を求めてのことです。稀に物語を聞いているうちにアリーが記憶を取り戻す瞬間があり、「私たちの話だったの?」と気づき合う場面は本作の感情的な頂点です。エンディングでは二人が共に眠るように亡くなる形で締め括られ、長い時間をかけた愛の話に相応しい静かな着地になっています。

こちらもおすすめ

TOPへ