MEN 同じ顔の男たち
あらすじ
ある日夫の自殺を目撃してしまったハーパーは安らぎを求めて自然豊かな田舎へと向かう。しかし町の男たちがみんな同じ顔をしており、徐々に彼女に恐怖が襲いかかるのだった。
ネタバレ無し
どんな作品?
2022年の「エクス・マキナ」「アナイアレイション」のアレックス・ガーランド監督作。夫の自殺を目撃したハーパーが癒しを求めて訪れた田舎で「町の男たちが全員同じ顔」という不条理に直面するホラーです。ジャンプスケアよりじわじわ積み重なる不安と異質感を武器にしていて、見た後も映像が頭に残り続けます。明確な解釈を与えずに観客に委ねる映画なので、受け取り方が人によって大きく異なります。
「同じ顔」が持つ意味
町の男たちを一人の俳優(ロリー・キニア)が演じているという設計が面白いです。「これは現実なのかハーパーの主観なのか」が最後まで曖昧にされ続けます。
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同じ顔の解釈
男が全員同じ顔という設定には複数の解釈が成立します。文字通りの超自然現象という読みと、「ハーパーが男性全体を同質の危険として知覚するという心理的フィルターの可視化」という読みの両方が可能で、映画はどちらが正しいかを示しません。
ラストの出産ラッシュ
クライマックスで男性が連続的に産まれながら死に、また次の姿で生まれ変わるというビジュアルが衝撃的です。生命と死の永続するサイクルを表現したものとして読めて、本作が追求してきた「男性性と生命・暴力の根源的な関係」というテーマの視覚的な頂点でした。生理的な嫌悪感を通じてテーマを体験させる演出として機能しています。
夫ジェームズだけ違う顔
最後に現れるハーパーの夫ジェームズだけは他の男たちと異なる顔で登場するという設計が印象的でした。ハーパーにとって個人として認識されていた存在だけが匿名化されていないという解釈ができます。
