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X-MEN:フューチャー&パスト

あらすじ

センチネルが支配する暗黒の未来を回避するため、ウルヴァリンの意識が1973年へと送り込まれる。過去でのミュータント同士の対立を乗り越え、悲劇的な歴史の分岐点を変えようとするタイムトラベルSFアクションです。

ネタバレ無し

過去と未来を同時に描くタイムトラベル構造

2014年公開、ブライアン・シンガー監督がX-MENシリーズに復帰した作品です。1973年を舞台にした「ファースト・ジェネレーション」組と、絶望的な未来の「オリジナル三部作」組が同一の映画の中で交差する構成になっています。タイムトラベルものとしての仕掛けがうまく機能していて、過去の場面での出来事が未来にどう影響するかが常に緊張感を保っています。二つの時代を行き来しながら収束していくストーリーはシリーズの中でも特に完成度が高かった印象です。

新旧キャストが揃う豪華な顔ぶれ

ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン)、パトリック・スチュワート(老プロフェッサーX)、イアン・マッケラン(老マグニートー)というオリジナル三部作組に加え、ジェームズ・マカボイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンスというファースト・ジェネレーション組が同じ映画に集まっています。特にウルヴァリンが若き日のチャールズと向き合う場面は、それぞれのシリーズで培われた関係性があるからこそ成立するやりとりでした。センチネルを開発した人物トラスクをピーター・ディンクレイジが演じています。

快感と緊張のバランス

アクションとしての見どころが随所にあり、中でも超高速で動くクイックシルバーが活躍するシーンはシリーズの中でも特に印象的な場面のひとつでした。一方で未来パートはひたすら追い詰められる緊張感が続き、過去パートの試行錯誤とのテンポの対比が効いていました。

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ミスティークの選択が歴史を作る

物語の核心は、ミスティーク(レイヴン)がセンチネル開発者のトラスクを暗殺したことで、その後に彼女の能力が研究・悪用され、環境適応型の強力なセンチネルが生まれたという因果です。ウルヴァリンたちが止めようとしているのはトラスクの死ではなく、ミスティークがトラスクを殺すという選択そのものです。彼女は自分の仲間を虐殺した人物を憎んでおり、その行動には正当な動機があります。「正しい憎しみ」をどう扱うかという問いがこの映画の中心にあります。

若きチャールズの絶望と再起

1973年のチャールズは、学校が閉まり、能力を抑える薬を飲むことで足が動く代わりにテレパシーを封じた状態で暮らしています。ウルヴァリンが説得しようとしても、かつての理想主義的な姿はほとんど残っていません。未来の自分(パトリック・スチュワート版)の声がテレパシーで届くシーンが転換点になっており、「絶望の先にある希望」という形で彼が立ち上がる展開が感情的に機能していました。

クライマックスのニクソン大統領との対峙

過去パートのクライマックスはパリでの会議ではなく、ホワイトハウス前でのセンチネルとの対決です。エリックが自らのやり方でミスティークを止めようとしたことで状況が悪化し、最終的にミスティーク自身が引き金を引かないという選択をします。彼女の意志による決断が歴史を変えたという形になっていて、「誰かに変えさせられた」のではなく「自分で選んだ」という点がミスティークというキャラクターへの敬意を感じさせました。

書き換えられた未来と復活したキャラクターたち

過去が変わったことで未来のセンチネル支配は消え、ウルヴァリンが目を覚ますと、ファイナル ディシジョンで死んだサイクロップスやジーン・グレイが生きている世界が広がっています。シリーズ全体の流れを踏まえると、この終わり方はかなり爽快感がありました。ただしウルヴァリン自身の記憶は1973年からのものが上書きされており、その間に何があったかは分からないままという余白も残っています。

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