あの夏のルカ
あらすじ
シー・モンスターの少年ルカは、友人のアルベルトと共にイタリアの漁村ポルトロッソで人間に紛れた忘れがたい夏を過ごす。本当の姿を隠しながらも世界の広さに触れていく二人の前に、別れと成長の選択が迫ってくる。
ネタバレ無し
どんな作品?
ピクサーの2021年作品。1960年代のイタリア・リグーリア海岸が舞台で、シー・モンスターの少年ルカが人間の村に紛れて過ごした夏の話です。宮崎駿映画への愛情が感じられる映像で、青い海と明るい色彩がとても気持ちいいです。
監督が幼少期をイタリアで過ごした経験をもとに作った個人的な映画とのことで、夏の日差しや友情の感じが素直に伝わってきます。
どんな雰囲気?
派手なアクションはなく、ひと夏の友情と成長の話です。「本当の姿を隠して生きること」「それを誰かに打ち明ける勇気」というテーマが根底にあって、色々な文脈で受け取れる内容になっています。後味がすごくさわやかです。
ネタバレ有りはこちら
ネタバレ有り
アルベルトの孤独
アルベルトは陽気に振る舞っていますが、実は父に島に置き去りにされた子です。ルカとジュリアが仲良くなっていくのを見て、孤独と嫉妬から二人の正体を村人の前で暴こうとしてしまいます。この場面が切くて、アルベルトの複雑な内面が一気に見えてきます。
「シレンツィオ・ブルーノ(Bruno、黙れ)」という、心の中の否定的な声を封じる呪文がアルベルトからルカに伝わる場面も印象的です。
最後の別れ
ルカがジュリアと一緒にジェノバの学校へ旅立ち、アルベルトは漁師のマッシモのもとに残るという別れで終わります。少年時代の友情がずっと続くわけではなく、それぞれが別の道へ進む——その切なさと清々しさが両方ある終わり方が好きです。ひと夏の記憶として美しく閉じます。
