アメイジング・スパイダーマン2
あらすじ
スパイダーマンとして活躍しながら恋人グウェン・ステイシーとの未来を模索するピーター・パーカーが、旧友ハリー・オズボーンの変貌、電撃を操るエレクトロの出現と同時に直面する物語。
ネタバレ無し
詰め込まれた関係性とヴィランたち
前作に比べてヴィランの数が増え、ストーリーラインも複数走っていることもあり、本作は散漫という評価を受けることが多い作品です。確かにエレクトロ、グリーン・ゴブリン、ライノのそれぞれの描写が薄くなっている部分は否めません。ただ、そのなかでもピーターとグウェンの関係性の描写には前作から引き続き力が入っており、ガーフィールドとエマ・ストーンの間の自然な空気がこのシリーズを支えているとあらためて感じます。
マーク・ウェブ監督と新旧キャスト
監督は前作に続きマーク・ウェブ。アンドリュー・ガーフィールド(ピーター)とエマ・ストーン(グウェン・ステイシー)に加え、ハリー・オズボーン役にデイン・デハーン、エレクトロとなるマックス・ディロン役にジェイミー・フォックス、ライノとなるアレクセイ・シツェビッチ役にポール・ジアマッティが加わっています。デイン・デハーンが演じるハリーは前作のジェームズ・フランコ版とはまた異なる、崩れた青白さがあって印象的でした。
エレクトロの視覚的なインパクト
本作で最もビジュアルとして印象に残ったのはエレクトロの映像表現です。感電事故でウナギに近い生態を持つ存在になったマックスが電撃を操るシーンはブルーを基調とした映像的なインパクトがあり、アクションとしての見せ方に工夫がありました。タイムズスクエアでの最初の対決は、本作でも特に記憶に残る場面でした。
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ハリー・オズボーンの変貌
旧友として戻ってきたハリーは、オズボーン家に遺伝する難病の発症が進んでいる状態でした。スパイダーマンの血液に治癒の可能性を見出し、ピーターに助けを求めるものの断られます。追い詰められた末に蜘蛛の毒素を自ら投与してグリーン・ゴブリンへと変貌する流れは、前作のコナーズ博士と似た「自らを実験台にする」という構造で、このシリーズのヴィランに共通するパターンが見えました。
両親の謎とオズコープの秘密
ピーターの両親リチャード・パーカーとメアリー・パーカーがなぜ姿を消したのか、という前作からの謎が本作で一部明かされます。オズコープの研究と深く絡んでいたという事実がピーターとハリーの関係にも影を落としており、単なるヒーロー対ヴィランの対立ではなく、家族の秘密が重なった関係性になっていました。
グウェン・ステイシーの死
本作の終盤でグウェンがグリーン・ゴブリンに時計塔から落とされ、スパイダーマンが間に合わなかったという結末は、このシリーズの最も重い場面でした。コミック原作でも描かれているグウェンの死をこの段階で描いたことで、ピーターが支えとしてきた存在を失い完全に折れてしまう展開に説得力がありました。前2作を通じて積み上げてきたガーフィールドとエマ・ストーンの関係性があるからこそ、この場面の重さが生きていました。
立ち直りと続く物語
グウェンを失ったピーターはスパイダーマンとしての活動をやめます。しかし時間を経て、グウェンの卒業スピーチでの言葉を思い返し、再びマスクをつける決断をします。最後にライノと対峙する場面で幕を閉じる本作は、悲劇の後の再起を描く構造になっていますが、この続きとなるシリーズ3作目は実現しませんでした。
