マーベルズ
あらすじ
力を使うたびにお互いの場所が入れ替わってしまうキャプテン・マーベル、モニカ・ランボー、ミズ・マーベルの三人が、クリー帝国の脅威に立ち向かうために否応なくチームを組む物語。
ネタバレ無し
入れ替わりというギミックが生む化学反応
本作の核にあるのは、三人のヒーローが力を使うたびにお互いの場所がランダムに入れ替わってしまうという設定です。思いがけない場所に突然飛ばされ、その場を切り抜けなければならない状況が次々と生まれるため、展開が飽きにくくなっています。ベテランのキャロル、能力開花中のモニカ、初々しいカマラと、それぞれのキャラクターの個性が入れ替わりの混乱の中で引き立て合っており、三人のコンビネーションを見るのが純粋に楽しい映画でした。
ニア・ダコスタ監督と三人の主演
監督はニア・ダコスタ。キャプテン・マーベルを演じるブリー・ラーソン、モニカ・ランボー役のテヨナ・パリス、ミズ・マーベル役のイマン・ヴェラーニの三人が主軸です。前作やMCUドラマシリーズをある程度知っていると各キャラクターの背景が分かりやすいですが、この三人のやり取り自体は初見でも楽しめます。敵役ダー・ベンを演じるザウィ・アシュトン、そして惑星アラドナの王子ヤン役のパク・ソジュンも印象的な存在感でした。
歌で会話する惑星アラドナ
本作の中で特に記憶に残ったのが、住民全員が会話を歌でする惑星アラドナのエピソードです。そこに飛び込んでしまったヒーローたちが否応なく歌いながら状況を乗り越えようとする場面は、MCU作品にしては珍しい弾けたユーモアがあり、映画全体の明るいトーンを象徴していました。
ネタバレ有りはこちら
ネタバレ有り
ダー・ベンとハラへの執念
敵役のダー・ベンはクリー帝国の将軍で、破壊されたハラ(クリー人の故郷の星)を取り戻すために奔走しています。量子バングルを使って宇宙の資源を強制的に奪い取ろうとする彼女の行動は残虐ですが、その動機には失われた故郷への切実な思いがあります。単純な征服欲ではなく、ハラの崩壊という背景があることで、このヴィランはある種の悲しさを持つキャラクターになっていました。
バングルが生む三者の繋がり
カマラが持つ量子バングルとダー・ベンが持つもう一方のバングル、この二つが共鳴したことで三人の入れ替わりが発生していたことが判明します。敵の道具が物語の中心的なギミックを引き起こしているという構造は、この三人が出会うべくして出会った必然を感じさせる作りでした。
カマラ・カーンというアベンジャーズオタクの目線
ミズ・マーベルのカマラは、マーベルヒーローの大ファンという設定で本作に参加しています。あこがれのキャプテン・マーベルと実際に肩を並べて戦うことになる彼女の反応は、ファン目線の無邪気な興奮があって見ていて微笑ましいです。チームの中で最も新参でありながら、その素直さと発想力で状況を打開していく場面もあり、イマン・ヴェラーニの存在感がこのチームに欠かせないものでした。
モニカの選択と別宇宙の母
終盤、宇宙空間に開いた裂け目を塞ぐためにモニカが自ら飛び込み、別の宇宙へと消えてしまいます。目を覚ました彼女のそばにいたのは、顔はまぎれもなく母マリア・ランボーでありながら、こちらの世界とは別の人生を歩んできた異なる存在でした。さらにそこにはX-MENのビーストも姿を現し、MCUとX-MENの世界が重なり合っていく可能性を示唆する場面となっています。ワンダヴィジョンから続いてきたモニカの旅が、まったく別の宇宙で新たな章を迎えるという終わり方でした。
