Nの鑑賞ログ
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ニュー・ミュータンツ

あらすじ

能力に目覚めたばかりの10代のミュータント5人が、孤立した施設に閉じ込められたまま原因不明の恐怖に次々と襲われる。過去のトラウマが現実と交錯するホラー色の強いX-MEN外伝作。

ネタバレ無し

スーパーヒーロー映画としては異色のホラー路線

X-MENシリーズの外伝作でありながら、戦闘シーンよりも閉鎖空間での恐怖を前面に押し出したホラー・スリラー的な作品です。孤立した施設に収容された少年少女たちが、自分たちの能力と向き合いながら正体不明の脅威に立ち向かうという構図は、ミュータントのアクション映画というよりもスーパーナチュラルな青春ホラーに近い雰囲気でした。ヒーロー映画としての爽快感より、じわじわとした不安感が積み重なっていく作りになっています。

ジョシュ・ブーン監督と若手キャスト

監督は『きっと、星のせいじゃない。』のジョシュ・ブーン。主要キャストは当時まだ若手だったアニャ・テイラー=ジョイ、メイジー・ウィリアムズ、チャーリー・ヒートンらで、各自が過去に傷を持つキャラクターを演じています。施設を管理する医師レイエス役にアリス・ブラガが配置されており、子どもたちを保護しているのか監視しているのか判然としない立場で物語に不穏な空気を加えていました。

5人のキャラクターと施設の謎

施設に集められた5人はそれぞれ異なる能力と深刻な過去を抱えており、互いに敵対しながら少しずつ打ち解けていくドラマが軸になっています。施設そのものの目的や管理者の正体については序盤から謎めいた描写が続き、恐怖の正体が何なのかが徐々に明かされていく構成でした。

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ダニの能力と施設の仕掛け

主人公のダニ・ムーンスターはリザベーションが壊滅した後に施設へ連れてこられます。彼女の能力は他者の最大の恐怖を具現化するというもので、施設内で起きる怪異はダニの力が無意識に引き起こしていたと明かされていきます。本人がそれを知らないまま恐怖が広がっていく構図は、ホラー的な緊張感と同時にダニへの同情を引き出すように作られていました。

マジックの過去とリンボ

キャラクターの中でもっとも強烈な背景を持つのがイリアナ(マジック)です。幼少期にリンボと呼ばれる異次元に囚われ、過酷な経験をした痕跡が随所に感じられます。施設の恐怖が各キャラクターの過去と結びついている中でも、イリアナのエピソードは特に重く、アニャ・テイラー=ジョイが無表情の中に傷の深さを見せる演技が印象的でした。

デモン・ベアとの決戦と脱出

ダニのトラウマが生み出す「デモン・ベア」という巨大な恐怖の存在との戦いがクライマックスになります。最終的にダニが自分の能力と向き合い、それを制御することで仲間たちを救う流れは青春映画的な成長物語として機能していました。5人が施設を脱出するラストは開放感があり、長く続いたX-MENシリーズの締めくくりとしての静かな余韻がありました。

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