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スパイダーマン3

あらすじ

英雄として認められたピーター・パーカーに黒い宇宙生物シンビオートが取り憑き、傲慢に変貌した彼がサンドマン、ヴェノム、ニュー・ゴブリンと同時に対峙するサム・ライミ版三部作の最終章。

ネタバレ無し

詰め込みすぎた三部作の締め

前2作と比べると、本作は登場するヴィランの数が多すぎるという批判を受けており、見ていてその印象は確かにありました。サンドマン、ヴェノム、ニュー・ゴブリン(ハリー)と三者が同時に動くため、それぞれの掘り下げが浅くなっている部分があります。ただ、三部作全体の流れを締めるという役割は果たしており、前作から続く人間関係の決着という点では見ごたえのある場面もありました。

サム・ライミとキャストの顔ぶれ

監督はサム・ライミ。前2作のキャスト(トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ)に加え、フリント・マルコ/サンドマン役にトーマス・ヘイデン・チャーチ、エディ・ブロックJr./ヴェノム役にトファー・グレイス、グウェン・ステーシー役にブライス・ダラス・ハワードが新たに加わっています。特にトーマス・ヘイデン・チャーチは、サンドマンというキャラクターに哀愁を与える演技が印象に残りました。

黒いスーツというビジュアル

宇宙から飛来したシンビオートがピーターのスーツに取り憑き、全身真っ黒のコスチュームに変化する場面は、ビジュアル的に印象が強かったです。黒スーツ版スパイダーマンはシリーズの中で異質な不穏さがあり、ピーターの内面の変化と連動している演出として機能していました。

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シンビオートが引き出す内なる傲慢さ

シンビオートに影響されたピーターは、徐々に攻撃的で自己中心的になっていきます。新聞社でエディ・ブロックの捏造写真を暴いて地位を奪い、MJを傷つけ、グウェン・ステーシーを使ってMJの前でパフォーマンスする——と、前2作でのピーターからは考えられない行動をとっていく流れは、見ていて居心地が悪く、それが狙いだったとはいえ後味の悪さがありました。教会の鐘楼でシンビオートを引き剥がす場面は、本作で最も重みのある決断でした。

フリント・マルコと許しの問い

ベン伯父さんを実際に撃ったのは、過去に見逃した強盗ではなくフリント・マルコだったという事実が明かされます。前作から続く「あの時止めていれば」というピーターの後悔がさらに複雑になる一方、マルコが娘を助けるために追い詰められていたという背景も描かれています。最終的にピーターがマルコを許す選択をする場面は、復讐ではなく赦しを選ぶというテーマの着地点でした。

ハリー・オズボーンの決断

前作のラストから続くハリーの復讐心が本作の軸の一つです。真実を知って和解したハリーが終盤にピーターを助けに駆けつける展開は、三部作を通じて複雑に積み重ねられてきた二人の関係の最後の場面として機能していました。ハリーの死は、この友情の物語の締め方として重みがありました。

ヴェノムという存在と三部作の終わり

シンビオートがエディ・ブロックと融合して誕生するヴェノムは、本来であれば単独でメインヴィランを張れる存在です。登場時間が限られているため、その怖さが十分に発揮されないまま終わるのがもったいなかった点でした。三部作全体としては人間関係の決着がつく形で幕を閉じており、欲張りすぎた印象は残りつつも、ライミ版スパイダーマンの終わりとしての感慨はありました。

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