マイティ・ソー バトルロイヤル
あらすじ
アスガルドに死の女神ヘラが解き放たれ、ソーは惑星サカールに流れ着いて奴隷闘士として戦わされる。ハルクやバルキリーと合流したソーは故郷の滅亡を防ぐために動き出すが、ラグナロクはすでに始まっていた。
ネタバレ無し
シリーズを刷新したコメディ路線への転換
前2作と比べて格段に明るく、笑えるシーンが多い作品です。タイカ・ワイティティ監督の持ち味であるユーモアとポップな色使いが全編に溢れていて、Thor映画の中でもっとも軽快に見られる一本になっています。宇宙のゴミ捨て場のような惑星サカールの雑多な雰囲気と、アスガルドの重厚な神話世界が対比をなしていて、その落差自体がギャグになっていました。
タイカ・ワイティティ監督と豪華キャスト
ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティが監督を担当し、シリーズの空気を一変させました。クリス・ヘムズワースとトム・ヒドルストンに加え、ヘラ役にケイト・ブランシェット、グランドマスター役にジェフ・ゴールドブラム、バルキリー役にテッサ・トンプソン、マーク・ラファロが演じるハルクも登場します。ケイト・ブランシェットが楽しそうにやり過ぎなほど悪役を演じているのが印象的でした。
バトルロイヤルとサカールの世界観
物語の中盤はサカールという惑星が舞台で、ソーが奴隷闘士として競技場で戦わされます。そこで対戦相手として登場するのがハルクで、MCU屈指の顔合わせが実現しました。ソーが「やったことある」と言いながら戦いに挑む場面はシリーズを通じて見てきた人ほど笑えます。グランドマスターが仕切る退廃的なサカールのビジュアルが独特で、見ていて飽きない雰囲気がありました。
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ヘラの正体とオーディンの過去
ヘラはオーディンの長子であり、かつてオーディンとともに九つの世界を征服した存在でした。その存在をオーディンが封印していたことが明かされ、アスガルドの栄光の裏にある暴力の歴史が示されます。ケイト・ブランシェットが演じるヘラは強さと残酷さを兼ね備えており、ソーでは本当に太刀打ちできない相手として描かれていました。
バルキリーとスカージの役割
サカールにいたバルキリーは元アスガルドの戦士で、ヘラとの戦いで仲間を失いそこに流れ着いた人物でした。彼女の過去の傷が描かれる場面は本作の感情的な軸のひとつです。一方でヘラに従うスカージは、最後まで忠誠を尽くすかに見えてアスガルドの民を守る決断をします。
ラグナロクによるアスガルドの終焉
ソーはヘラを倒す方法がないと気づき、スルトを復活させてアスガルドそのものを滅ぼすという選択をします。アスガルドは場所ではなく人々であるというオーディンの言葉がここにつながり、民を乗せた船が星を離れるラストは破壊と再生のカタルシスがありました。シリーズの中でもっとも踏み込んだ終わり方をした作品で、ソーというキャラクターが大きく変わる転換点になっていました。
