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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

あらすじ

エンドゲーム後の世界でヨーロッパ修学旅行中のピーター・パーカーが、エレメンタルズと呼ばれる怪物に対抗するヒーローとして現れたクエンティン・ベック/ミステリオと行動を共にする物語。

ネタバレ無し

エンドゲーム後の世界と修学旅行

本作はアベンジャーズ:エンドゲームの直後という位置づけで、「ブリップ」(人口の半数が消えて5年後に戻ってきた出来事)による混乱がまだ続いている世界が舞台です。トニー・スタークの死という喪失を抱えたまま、ピーターはヨーロッパへの修学旅行に出かけます。休暇中くらいはスパイダーマンとして求められたくないと思っているピーターが、次々と巻き込まれていくテンポの良さが本作の持ち味でした。MJ(ゼンデイヤ)への告白を狙いながらことごとくタイミングを逃すという学園コメディ的な要素も、前作以上に前面に出ていました。

ジョン・ワッツ監督と新たな顔ぶれ

監督は引き続きジョン・ワッツ。今作で最大の見どころはジェイク・ギレンホールが演じるクエンティン・ベック/ミステリオです。別の宇宙からやってきたヒーローとして登場し、ピーターと行動を共にするこのキャラクターの立ち回りは、前作のヴァルチャーとはまた異なる魅力があります。ギレンホールのカリスマ的な存在感が、ミステリオというキャラクターに必要な説得力を与えていました。

ヨーロッパを舞台にしたロケーション

ヴェネツィア、プラハ、ロンドンといったヨーロッパ各地を舞台にした映像は、シリーズの中でも特に視覚的なバリエーションがありました。スパイダーマンが見慣れたニューヨークではなく異国の都市を飛び回るという状況が、ヒーローとしての頼りなさも相まって独特の緊張感を生んでいました。

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ミステリオの正体

本作最大の仕掛けはミステリオが実はヴィランだったという反転です。エレメンタルズはドローンと高度な映像技術を組み合わせた偽物の怪物で、ベックはスターク・インダストリーズを解雇された元従業員でした。トニーが一顧だにしなかった彼の技術が、皮肉にも「次世代のアイアンマン」を演じるための道具になっていたという設定は、前作から続くスターク遺産というテーマに深みを加えていました。

EDITHとピーターの判断

トニーがピーターに残したスマートグラス「EDITH」は、スタークのすべての武器・衛星システムにアクセスできる強力なツールです。ピーターがミステリオを信頼してこれを手渡してしまう場面は、後から見ると「なぜ」と思いながらも、トニーの後継者になることへの重圧と、誰かに頼りたいという気持ちが重なった結果として理解できる描写でした。

幻覚シーンの映像的な強度

ミステリオの力の核である幻覚技術がピーターに向けて使われるシーンは、本作で最も映像として印象に残る場面です。現実と虚構が入り乱れ、ピーターが自分の感覚を信頼できなくなる状況の描写は、スパイダーセンスというピーターの固有の能力と組み合わさって、ミステリオとの相性の良さを感じさせました。

ラストの衝撃とその先

ロンドンでミステリオを倒した後、エンドクレジットに続く場面でJ・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)がニュース映像でスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることを全世界に向けて暴露します。前2作で丁寧に積み上げてきた「秘密の正体」というスパイダーマンの根幹が一気に崩れるこの終わり方は、次作への橋渡しとして強烈な幕引きでした。

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