ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー
あらすじ
帝国の超兵器「デス・スター」の設計図を巡り、訳ありの女性ジン・アーソが率いる反乱軍の決死隊が命を懸けた極秘作戦に挑む、スター・ウォーズのスピンオフ。
ネタバレ無し
スター・ウォーズの「知られざる前日譚」
エピソード4「新たなる希望」の直前を描いたスピンオフ作品です。本編シリーズのような選ばれし者の英雄譚ではなく、名も知られぬ反乱分子たちが主役という設定が新鮮でした。ギャレス・エドワーズ監督はゴジラ(2014年)でも見せた重厚な世界観の構築が得意で、この作品でも戦場のリアルな空気感をうまく表現しています。
個性豊かな決死隊
主人公のジン・アーソをフェリシティ・ジョーンズが演じ、傷ついた過去を持ちながら戦いに身を投じていく様子を丁寧に見せています。ディエゴ・ルナ演じるキャシアン・アンドーは組織の命令に従う影の工作員で、正義と汚れ仕事の間で揺れる複雑なキャラクターです。ドニー・イェン演じるチアルート・イムウェの存在感も際立っていて、フォースへの信仰を体現した独特の立ち振る舞いが印象的でした。
戦争映画としての本格感
スター・ウォーズシリーズの中でも特に戦争映画的な色合いが強く、終盤の惑星スカリフでの上陸作戦は圧巻です。宇宙戦と地上戦が同時進行で描かれる展開はシリーズ随一の迫力で、明るい希望よりも泥くさい現実が前面に出ています。英雄神話ではなく、戦争の重さを正面から描いた一作です。
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ネタバレ有り
誰も生き残らないという衝撃
この映画の最大の特徴は、主要キャラクターが全員死んで終わるという結末です。ジン、キャシアン、チアルート、ボーディー、ベイズ、K-2SO——それぞれに死に際の場面があり、全滅という形でしか得られなかった勝利の重さが伝わってきます。スター・ウォーズとしては異例の暗い結末で、見終わったあとにずっしりとした余韻が残りました。
ダース・ベイダーの廊下シーン
クライマックスで追い詰められた反乱軍の兵士たちの前に、ダース・ベイダーが暗闇の中から姿を現し一方的に蹂躙していく場面があります。これまでのシリーズの中でも際立って恐ろしいベイダーで、あの圧倒的な力の前に名もなき兵士たちが必死に設計図を次の者へと手渡していく緊張感がたまりませんでした。
ゲイレン・アーソの仕掛け
ジンの父ゲイレン(マッツ・ミケルセン)がデス・スターの設計に密かに弱点を仕込んでいたという設定はよくできていると思いました。エピソード4で排気口を狙うあの作戦が、単なる幸運ではなく父の意志によるものだったという解釈が成立するわけで、既存の物語に新しい意味を加えることに成功しています。
エピソード4への橋渡し
最後、設計図がレイア姫のもとに届くカットでこの映画は幕を閉じます。エピソード4の冒頭シーンへそのまま繋がる形になっていて、数十年前の映画の「その直前」をこうして描けるんだという驚きがありました。名も知らぬ人々の犠牲の上に「新たなる希望」があったのだと気づかせてくれる、シリーズへの見方が変わる一作です。
