キャプテン・マーベル
あらすじ
記憶を失ったままクリー帝国の戦士として生きていた女性が、1990年代の地球でニック・フューリーと出会い、自分の正体と圧倒的な力の起源を探る物語。
ネタバレ無し
記憶を持たない戦士が地球へ
1990年代を舞台に、クリー帝国の特殊部隊「スターフォース」の戦士ヴァースが地球に不時着するところから物語は始まります。脳内に断片的な記憶を抱えながら任務をこなしてきた彼女が、地球で若き日のニック・フューリーと出会い、自分が何者かを探り始めるのが本作の軸です。90年代という時代設定がBGMや小道具に随所に反映されており、全体を包む軽快な雰囲気が見ていて心地よかったです。
アンナ・ボーデン&ライアン・フレックとキャスト陣
監督はアンナ・ボーデンとライアン・フレックのコンビ。主演のブリー・ラーソンが記憶を失いながら自分の正体を探るキャロル・ダンヴァースを演じています。サミュエル・L・ジャクソンはデジタル処理で若返った姿のニック・フューリーを演じており、この二人のやり取りが映画の雰囲気をほどよく和ませていました。ベン・メンデルソーン(タロス)、ジュード・ロウ(ヨン・ロッグ)も印象に残る存在感でした。
宇宙スケールの設定とスクラル人
変身能力を持つ異星人スクラル人が敵として登場し、どこにでも紛れ込めるという設定がサスペンスのドライバーとして機能しています。クリー帝国やスクラル人という宇宙規模の勢力を前面に押し出した構成は、MCUの中でも異色の世界観で、後の作品に繋がる伏線をいくつも仕込んでいる一作です。
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ネタバレ有り
キャロル・ダンヴァースという名前の取り戻し方
「ヴァース」として生きてきた彼女の正体は、かつてアメリカ空軍のテストパイロットとして働いていたキャロル・ダンヴァースでした。研究者ウェンディ・ローソンが開発していた実験エンジンが爆発した際にそのエネルギーを吸収し、記憶を失ったままクリー人に引き取られていた——というのが真相です。失われた記憶のピースが少しずつ揃っていく展開は、自分が誰かを取り戻す物語として素直に引き込まれました。
スクラル人は敵ではなかった
序盤から「侵略者」として描かれていたスクラル人(タロスが率いる一団)が、実はクリー帝国に故郷を追われた難民だったという反転が本作の大きな見せ場のひとつです。ベン・メンデルソーン演じるタロスは、威圧的な印象から一転して温かみとユーモアのある面を見せていき、このキャラクターの変化が物語に厚みをもたらしていました。
ヨン・ロッグが言い続けた「感情を封じろ」の意味
キャロルの師として登場し、「感情を抑制して戦え」と繰り返し告げてきたヨン・ロッグが、実はキャロルの力を意図的に制限しようとしていたことが判明します。感情ごと全力を解き放ったキャロルが圧倒的な強さを見せる終盤の展開は、長い抑圧からの解放として見ていてすっきりしました。この「感情を封じるな」というメッセージの裏返しが、物語全体を通じたテーマになっていました。
力の覚醒と宇宙へ
真実と力を取り戻したキャロルはスクラル人の難民を守るため宇宙へと向かいます。ニック・フューリーが後にアベンジャーズ・イニシアチブの立ち上げを決意するきっかけとなる出来事が本作で描かれており、MCUの過去を埋めるピースとしての役割も担っています。単独ヒーロー映画でありながら、宇宙規模の問題に踏み込んでいく構成は見ごたえがありました。
