X-MEN:アポカリプス
あらすじ
1983年、数千年の眠りから目覚めた太古のミュータント・アポカリプスが世界の「浄化」を宣言し、四人のミュータントを四騎士として従える。若きX-MENたちが初めて揃い、神に等しい力を持つ敵と対峙します。
ネタバレ無し
若い世代が主役に立つシリーズの転換点
2016年公開、ブライアン・シンガー監督によるファースト・ジェネレーション組の三部作完結作です。舞台は1983年。ソフィー・ターナーが演じる若きジーン・グレイ、タイ・シェリダンが演じる若きサイクロップス、コディ・スミット=マクフィーが演じる若きナイトクローラーといった、次世代のX-MENが初めてそろう作品になっています。ファースト・ジェネレーション、フューチャー&パストと積み上げてきたキャラクターたちが揃って活躍するシリーズの集大成的な一作です。
スケールの大きな敵と四騎士
今作の敵アポカリプス(オスカー・アイザック)は、文明が生まれる以前から存在していた最古のミュータントという設定です。他のミュータントの能力を吸収して強化してきたという背景があり、これまでの敵とは桁違いのスケールで描かれています。彼が選んだ四騎士の中にはマグニートー(マイケル・ファスベンダー)も含まれており、エリックがなぜアポカリプスに従うのかという経緯が今作のドラマ的な核のひとつになっています。エヴァン・ピーターズが今作でも超高速のクイックシルバーを演じており、シリーズ恒例の超スピードシーンが今回も見どころです。
1983年という時代背景
冷戦末期という時代が舞台で、核兵器の脅威や強権的な政治体制といった当時の世界情勢がミュータントをめぐる問題と重なるように描かれています。衣装や音楽など80年代のカルチャーが随所に取り込まれていて、前作の1970年代から続くシリーズの時代感が引き継がれています。
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マグニートーの喪失と堕落
今作のエリックはポーランドで妻と娘と静かに暮らしていますが、ある事故をきっかけに正体が露見し、最愛の家族を失います。一度は人間社会に戻ろうとした男が、再び絶望へと引き戻される経緯が丁寧に描かれていました。アポカリプスへの合流は信仰から来るものではなく、失うものがなくなった人間の空白を突かれた結果として描かれています。ファースト・ジェネレーション以来のエリックの変化の流れとして、今作の選択は整合しています。
プロフェッサーXとアポカリプスの精神的な対決
アポカリプスはプロフェッサーXの強大なテレパシー能力を手に入れるために彼を取り込もうとします。チャールズの肉体と精神を乗っ取ることで世界中の人間とミュータントを支配しようという計画で、肉体的な戦いよりも精神世界での対決という側面が強い展開でした。チャールズが自分の力を代償にする形で最終的にアポカリプスと向き合う場面は、彼にとってひとつの試練として機能していました。
ジーン・グレイのフェニックス覚醒
クライマックスで苦境に立つX-MENを救うのは、ジーン・グレイが自らの力の制限を外すことです。巨大なエネルギーが解放され、アポカリプスを打ち破る場面はスペクタクルとして迫力がありました。今作では制御が及ばないほどの暴走ではなく、仲間を守ろうとする意志が前面に出た描かれ方でした。この時点で彼女の力の大きさが示されており、今後の展開への予感として機能しています。
エンドとその後の余韻
エリックは最終的にアポカリプスと決別し、X-MENと共闘します。ただし完全にチャールズの側に戻るわけではなく、去っていく結末です。チャールズ、エリック、レイヴンの三者関係がファースト・ジェネレーションから三作かけて積み上げてきた結末として、すっきりとした着地ではないながらも、それぞれの選択として納得のいく終わり方でした。
