アイアンマン2
あらすじ
アイアンマンであることを公表したトニー・スタークが、政府の圧力や体を蝕むアークリアクターの毒、そしてスターク家に恨みを持つロシア人科学者という三つの危機に同時に直面します。
ネタバレ無し
アイアンマンであることの重さ
前作でアイアンマンであることを公表したトニー・スタークは、スーツの技術提供を求める政府や軍の圧力にさらされながらも頑なに拒否を貫きます。一方で胸部のアークリアクターが体を蝕み続けるという致命的な問題を一人で抱え、徐々に追い詰められていく様子が描かれます。前作の爽快感とは打って変わって、成功者が抱える孤独と重圧がひとつのテーマになっている作品です。
ジョン・ファヴロー監督と豪華キャスト
前作に続きジョン・ファヴロー監督がメガホンを取りました。ロバート・ダウニー・Jr.のほか、ジェームズ・ローズ役がドン・チードルに交代し、スカーレット・ヨハンソンがナターシャ・ロマノフとして初登場しています。ミッキー・ロークが演じるヴィランのイワン・ヴァンコや、サム・ロックウェルのジャスティン・ハマーも個性的で、前作以上に層の厚いキャスト陣になっています。
続編としての広がりと密度
アクションシーンの派手さは健在ですが、前半はトニーの内面の葛藤を丁寧に追ったドラマパートが多めです。MCUの世界を広げるためのピースが随所に散りばめられており、ナターシャやニック・フューリーとの絡みがその後のシリーズへの橋渡しになっています。単体の映画としてはやや詰め込みすぎな印象もありますが、シリーズの流れを追って観るとその役割がよくわかります。
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アークリアクターの毒とハワードの遺産
胸部のアークリアクターによってパラジウム中毒が進行するという設定が本作のドラマの核になっています。余命を悟ったトニーが自暴自棄になっていく過程にリアルな重さがありました。突破口になるのが亡き父ハワード・スタークの残した映像と設計図で、その中に新元素の合成方法が暗号のように隠されているという展開が面白かったです。父への複雑な感情を抱えながらもその遺産を受け継いでいくという流れが、本作の感情的な柱になっていました。
イワン・ヴァンコの動機
ヴィランのイワン・ヴァンコは、かつてハワード・スタークに裏切られたロシア人科学者の息子という設定で、スターク家への積年の恨みを動機にしています。モナコのレースサーキットに突如現れてトニーに挑む場面は本作の見せ場のひとつで、手製の電撃ウィップという武器の独特な存在感が印象的でした。その後ジャスティン・ハマーに利用される形で最終決戦に臨む流れはやや駆け足でしたが、個性的なヴィランではありました。
ウォーマシンの誕生
ジェームズ・ローズがトニーのスーツを強奪してウォーマシンとして運用するシーンは、友情と衝突が交差する印象的な場面です。その後二人が力を合わせてヴァンコのドローン軍団に立ち向かうクライマックスは、MCUらしいチームアップの醍醐味を感じさせました。
ブラック・ウィドウの初登場
スカーレット・ヨハンソン演じるナターシャ・ロマノフがハマー・インダストリーズに潜入するシーンはアクションの切れがよく、初登場にしてキャラクターの強さが伝わる場面でした。正体を明かした後にニック・フューリーとともにトニーを支援する展開も、MCUの世界がじわじわと広がっていく感覚を味わえるものでした。
