デッドプール
あらすじ
末期癌を告げられた元傭兵ウェイド・ウィルソンは、怪しげな実験によって超人的な治癒能力を手に入れるが、全身に醜い傷跡を残されてしまう。自らをデッドプールと名乗り、自分をそうした男への復讐を誓う。
ネタバレ無し
メタなギャグとR指定アクションの異色作
マーベルのスーパーヒーロー映画でありながら、ヒーローらしい格好よさをことごとく自分でぶち壊していくコメディ色の強い作品です。主人公のデッドプールは「第四の壁」を破って観客に直接話しかけてくることで知られており、映画を見ていると映画そのものをネタにした台詞が次々と飛んでくるのが楽しかったです。R指定のバイオレンスとユーモアが混ざった独特の雰囲気は、それまでのヒーロー映画にはないものでした。
ティム・ミラー監督とライアン・レイノルズ
監督はティム・ミラーで、本作が長編映画デビューとなります。主演のライアン・レイノルズはデッドプール役を長年求め続けたことで知られており、そのこだわりが随所に感じられます。ヴァネッサ役のモレナ・バッカリン、友人のウィーズル役にT.J.ミラー、X-MENのコロッサス役にステファン・カピチッチが声で出演するなど、脇を固めるキャストも個性的です。
出生の秘密を笑いに変える構成
本作は「ウェイドがなぜデッドプールになったのか」という起源物語ですが、語り口が独特で、現在の戦闘シーンと過去の回想が交互に展開します。重くなりがちな設定をギャグで包みながら、ヴァネッサとの関係だけはまっすぐに描いていて、そのギャップが意外と効いていました。
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ネタバレ有り
ウェイドの変貌とエイジャックスへの恨み
治癒能力を引き出すための実験はエイジャックスという男の手によるもので、ウェイドは激しい拷問を受けます。能力は覚醒したものの顔や全身の皮膚に取り返しのつかない傷跡が残り、ヴァネッサの前に戻ることをためらったウェイドはデッドプールとしてエイジャックスを追い始めます。ウェイドがマスクをつけ続ける理由がここにあり、笑わせてくれるキャラクターの裏にある傷つきやすさが伝わってきました。
コロッサスとネガソニックの存在
X-MENからコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドが絡んできますが、本作では本格的な仲間というよりもデッドプールの勝手な行動にあきれ気味のサイドキャラとして機能しています。特にコロッサスがデッドプールを正義のヒーローに誘い込もうとするたびに軽くあしらわれるやり取りが笑えました。
廃空母での決戦とヴァネッサの救出
終盤、エイジャックスにヴァネッサを拉致されたデッドプールは廃空母に乗り込んで戦います。エイジャックスを倒した後、顔の傷を治せる可能性が断たれる形で物語は終わりますが、ヴァネッサはそれでも受け入れる姿勢を見せます。重たい話になりそうなラストを笑いで着地させる構成はこの作品らしく、すっきりした後味でした。
