Nの鑑賞ログ
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アバター 伝説の少年アン

あらすじ

100年前に氷に封じられたアバター・アンが目覚め、水・土・火の三元素を習得しながら火の国の侵略から世界を救う旅に挑む。創造者ディマルティーノとコニーツコが構築した東アジア文化への深い敬意が全世界観を形成している。

ネタバレ無し

どんな作品?

2005〜2008年にNickelodeonで放送されたアメリカのアニメシリーズ。全3シーズン61エピソードで完結しています。水・土・火・風の四大元素を操れる世界で、唯一全属性を使えるアバターの少年アンが世界を救う旅をする話です。

子供向けアニメとは思えない重厚な内容で、戦争・植民地主義・全体主義・人種差別まで正面から扱います。IMDbで9.3点という評価からも分かる通り、アニメを普段見ない大人にも強くおすすめできる作品です。

世界観のこだわり

各国家の文明がアジア・イヌイット・アボリジニなどの実在する文化を丁寧に参照して作られていて、ファイアベンディングは北少林拳、ウォーターベンディングは太極拳など、各属性の動きが実際の武術に基づいています。「アジア風の雰囲気」で済ませずに本物を参照しているのが伝わってくる質の高さです。

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ネタバレ有り

Book 1: アンが抱える罪悪感

アンは氷の中で眠り続けた100年間に、火の国がエア・ノマドを虐殺しウォーター・トライブを壊滅させたことを知ります。アンは逃げた時に悪意はなかった。でも彼の不在が世界を100年間悪化させた。この「意図のない加害」の重さをちゃんと描いているのが、他の子供向け作品とは一線を画すところです。

Book 2: バ・シン・セーの真実

「不落の都市」として知られるアース・キングダムの首都は、実は市民から戦争の事実を隠蔽している全体主義的な体制で維持されていました。「バ・シン・セーには戦争は存在しない」という繰り返されるセリフが後から見ると怖いです。終盤でアンが一度死ぬというショッキングな展開もあります。

ズコの変化が一番の見どころ

敵だったズコが味方になるまでの過程が、本作で最も語り継がれる部分です。単純に「改心する」のではなく、Book 2の終盤でアバターを裏切るという「失敗」を経て、ようやくBook 3でチームに加わります。叔父アイローとの和解シーンで泣かない人はいないと思います。

最終決戦の選択

アンはオザイを殺せる力があるのに、ベンダー能力を永続的に奪うという選択をします。「敵を倒せ」という物語の論理に対して、「いかなる命も奪う権利は自分にない」という選択を3シーズン積み重ねたアンの哲学として提示していて、説得力があります。

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