バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
あらすじ
マーティとドクが2015年の未来へ飛び、息子の逮捕を防ごうとしたことが発端となり、歴史が歪んだ別の1985年が生まれてしまうSFコメディです。ロバート・ゼメキス監督、1989年公開のシリーズ第2作です。
ネタバレ無し
2015年という「未来」の描き方
本作はPART1のラストシーンから即座に続く形で始まり、マーティとドクが2015年の未来へ向かうところから物語が展開します。ホバーボード、空飛ぶ車、自動で結び目を締めるスニーカー、画面が家の壁一面を埋めるテレビなど、1989年時点から見た「30年後の未来予想」が全編に詰め込まれていて、当時の観客がどんなイメージで未来を見ていたかが伝わってきます。実際に2015年が来たときに振り返ってみると、当たっているものも外れているものも面白くて、時代の想像力の記録として見る楽しみがあります。
三つの時代を行き来する構成
PART1が1985年と1955年の二つの時代で完結していたのに対して、本作はそこに2015年という時代が加わり、さらに物語が進むにつれてある事情で1955年にも再び戻ることになります。一つの映画の中で三つの時代が舞台になる構成は、脚本の複雑さという点でシリーズ最大規模で、どの時代で何が起きているかを追うのに集中力を要します。PART1を先に観ていることが前提の作りになっているため、順番通りに観るべき作品です。
キャストの変化
PART1でジェニファー役を演じたクローディア・ウェルズが本作から降板し、エリザベス・シューが引き継いでいます。同様に父ジョージ役はクリスピン・グローヴァーからジェフリー・ウェイスマンに変わっています。どちらも前作と同じキャラクターを別の俳優が演じているため、違和感があるといえばあるのですが、本作の展開においてはそれほど中心的な役割を担わないため、物語への没入を大きく妨げるほどではありませんでした。
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ネタバレ有り
スポーツ年鑑がすべての元凶
2015年を訪れた際に老ビフが密かにスポーツ年鑑を手に入れ、デロリアンを盗んで1955年の若いビフに渡してしまいます。この年鑑には1950年から2000年までのスポーツの全試合結果が載っており、それさえあれば賭けで確実に稼げるという代物です。たった一冊の本が歴史を根本から変えてしまうというアイデアは、タイムトラベルものとしてシンプルかつ強烈で、「過去に何か小さなものを置いてきたら」という恐怖を一番わかりやすい形で体現しています。
歪んだ1985年A
ビフが年鑑を手に入れたことで生まれた別の歴史の1985年、通称「1985年A」がシリーズ屈指の暗さです。ビフは賭けで財を成して街を支配する犯罪的な富豪となり、マーティの父ジョージはビフに殺されており、母ロレインはビフと結婚させられています。前作でマーティが取り戻したはずの幸せな家族像がすべてひっくり返されており、過去を変えることの取り返しのつかなさを正面から描いた展開でした。PART1との落差が大きい分、ショックが強く印象に残ります。
1955年への再訪と前作との交差
歪んだ歴史を修正するためにマーティとドクは1955年に戻り、ビフが若いビフに年鑑を渡す前に取り返そうとします。この過程でPART1でマーティが1955年にいた時間軸と同じ時間帯に存在することになり、前作のシーンを別の角度から見るような演出が随所に盛り込まれています。過去作の映像を再利用しながら新しい意味を加えるアプローチは当時としては珍しく、シリーズとしての構成の巧みさが光っていました。
続きを強制するクリフハンガー
年鑑の奪回には成功するものの、直後に雷でドクがデロリアンごと1885年の西部に飛ばされてしまいます。マーティのもとには1885年のドクが送った手紙だけが届き、「迎えに来ないでくれ」と書かれています。本作はこの時点で終わるため、単独では完結しない構成になっています。PART2とPART3はほぼ同時制作で、観客を次に引っ張るための意図的な終わり方でした。エンドクレジットではPART3の予告が流れ、その場でPART3を観たくなる作りになっています。






