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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3

おすすめ度
4.5 / 5

あらすじ

PART2のラストで1885年の西部に飛ばされたドクを救うため、マーティが1885年のアメリカ西部へ向かうシリーズ完結編です。ロバート・ゼメキス監督、1990年公開のシリーズ第3作です。

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SFからウエスタンへの大胆な転換

本作はSFコメディとして始まったシリーズの完結編でありながら、舞台が1885年の西部開拓時代のアメリカになるため、作品の雰囲気がかなり西部劇に近くなっています。馬、保安官、酒場、決闘など、西部劇の定番要素が並ぶ中にタイムマシンというSFの設定が持ち込まれる組み合わせは、シリーズを通じた「どこに行っても場違いなマーティとドク」という構図の集大成と言えます。前二作とはトーンが異なるため好みが分かれますが、完結編として見ると変化そのものが狙いだったと納得できます。

ドクの恋愛という新しい要素

PART1・2を通じてドク・ブラウンは頭の中がほぼ発明と時間旅行で占められた人物として描かれてきましたが、本作では教師のクララ・クレイトン(メアリー・スティーンバージェン)と恋に落ちる展開が中心になります。シリーズ全体を通じてドクの個人的な感情はほとんど描かれてこなかったため、クリストファー・ロイドがロマンスの当事者として機能する場面は新鮮でした。クララとのやり取りがどこかコミカルでもあり、ドクというキャラクターの意外な一面を引き出しています。

マーティの成長としての完結

シリーズを通じてマーティには「売り言葉に買い言葉で無謀なことをしてしまう」という弱点が描かれており、誰かに「臆病者」と言われると頭に血が上って冷静な判断ができなくなるという場面がPART1から繰り返されてきました。本作ではその弱点と向き合う展開が盛り込まれており、三作かけて描かれてきたマーティの成長に一つの答えが用意されています。シリーズ全体として観るとこの要素が効いていて、単なる冒険談を超えた着地になっています。

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マッドドッグ・タネンという好敵手

本作のヴィランはビフの曽祖父にあたるビュフォード・「マッドドッグ」・タネン(トーマス・F・ウィルソン)で、歴代のタネン一族同様にトーマス・F・ウィルソンが演じています。三世代にわたってウィルソンが同じ俳優として演じるシリーズの遊び心が本作でも発揮されており、ビフとの共通点と違いの両方が出ていました。マッドドッグはビフよりも直接的に暴力的で、決闘を求めてくる昔ながらのアウトローとして描かれており、西部劇の文法に沿ったヴィランになっています。

燃料問題とクライマックスの蒸気機関車

1885年の時代にはデロリアンを動かすガソリンがなく、さらに走行中に燃料タンクが破損してしまうという事態が加わります。88マイルに達する手段として蒸気機関車でデロリアンを後ろから押すという解決策が持ち込まれ、クライマックスは走る機関車の上での攻防になります。ガソリンの代わりに蒸気の力でタイムトラベルを成立させるというアイデアは、PART1の雷とPART2の屋根裏のガソリンに続く毎作恒例の「どうやって88マイルを出すか」問題の最終回答として機能していました。

ドクの決断とシリーズの締め括り

マーティが1985年に戻った後、ドクはクララとともに過去に残る選択をします。三作を通じて「現代に戻ること」が常にゴールであったシリーズが、主人公の親友が過去に留まることで終わるという構成は、これまでの流れを逆転させた締め方です。しかしエンディングでドクが蒸気を動力にした新しいタイムマシンを自作してクララと子供たちを連れて現代に現れる場面は、「ドクならそれをやるだろう」という納得感があり、キャラクターへの愛情を持って終わらせたと感じます。三部作を通じて描かれてきたドクとマーティの友情に相応しい着地でした。

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