マーベル・ゾンビーズ
あらすじ
ゾンビウイルスに侵されたアベンジャーズが徘徊する廃墟の世界で、カマラ・カーンら少数の生存者たちが世界の終わりに立ち向かうMCU初のTV-MAアニメシリーズ。全4話。
ネタバレ無し
ホワット・イフ...?からの地続きの世界
本作は「ホワット・イフ...?」シーズン1第5話のゾンビ回で描かれた世界線を舞台にした、約5年後の物語です。アベンジャーズの多くがゾンビ化した廃墟の地球で、わずかな生存者たちが命をつなぎながら希望を探すという設定で、単発エピソードの印象が強かったあの世界線に本格的な肉付けを施したミニシリーズになっています。ホワット・イフを見ていると世界観の前提を把握しやすいですが、独立した作品としても見られる作りになっています。
MCU初のTV-MA格付け
本作はMCUアニメシリーズとして初めてTV-MA(成人向け)格付けを受けた作品で、ゾンビの描写や暴力表現がそれまでのMCUアニメとは明確に異なります。ブライアン・アンドリュース&ゼブ・ウェルズによる制作で、ホラー映画的な緊張感とスーパーヒーローものの活劇を組み合わせたジャンルの配合は、MCUの中では珍しい試みでした。アクションの激しさを求めるファンに向いている一方で、軽いノリで見始めると面食らう強度があります。
生存者たちのキャスト
主役のカマラ・カーン(ミズ・マーベル)をイマン・ヴェラーニが、ゾンビ化したヒーローたちの女王として立ちはだかるワンダ・マキシモフをエリザベス・オルセンが、それぞれ実写版と同じ俳優が声を当てています。ケイト・ビショップ役にヘイリー・スタインフェルド、イェレナ・ベロワ役にフローレンス・ピュー、シャン・チー役にシム・リウなど、実写MCUキャストがそのまま参加しており、アニメでありながらキャラクターの連続性が保たれています。
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カマラ・カーン、ケイト・ビショップ、リリ・ウィリアムズ
物語の中心を担う生存者グループは、カマラ・カーン(ミズ・マーベル)、ケイト・ビショップ(ホークアイ)、リリ・ウィリアムズ(アイアンハート)の三人です。それぞれキャラクターの個性が異なり、緊張と軽口が交じり合う関係性がシリーズを通じた感情的な軸になっています。ジミー・ウーやシャン・チーらも合流し、少数精鋭のサバイバル集団として廃墟の地球を移動していきます。
ゾンビ化したワンダという脅威
本作の最大の敵は、「死者の女王」として君臨するゾンビ化したスカーレット・ウィッチ、ワンダ・マキシモフです。インフィニティ・ストーンの力を求めながらゾンビ軍団を率いるという設定で、かつての英雄が最も危険な脅威として立ちはだかるという構図が本作のホラー的な重心になっています。エリザベス・オルセンの声が実写版の延長として機能しており、「ワンダヴィジョン」以降のキャラクターに親しんでいると感情が乗りやすい役どころでした。
最終決戦と曖昧な結末
最終話ではワンダ率いるゾンビ軍団との直接対決に臨みますが、いくつかのキャラクターが命を落とし、圧倒的な力の差を前に完全な勝利とはならない展開を迎えます。カマラはワンダが現実を再構築する手助けをすることを選び、目覚めるとジャージーシティの自宅に戻り、家族も友人も無事な「元通りの世界」にいます。しかしその世界には微細なずれが感じられ、本当に救われたのかそれとも別の檻に入ったのかが判然としないまま幕を閉じます。希望をつかんだようでいて足元が揺らいでいるような余韻は、続編への布石でもあり、カマラが下した選択の重さを問いかける後味でもありました。
