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ホワット・イフ...?

あらすじ

「もしも、あの瞬間が違っていたら?」というマルチバースの可能性をアニメで描くMCUのDisney+シリーズ。全3シーズン・全26話完結。

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「if」を軸にしたアンソロジー形式

本作はMCU本編の出来事をひとつ変えたら歴史がどう変わるか、というアンソロジー形式のアニメシリーズです。各話が基本的に独立した物語で、「ペギー・カーターがスーパーソルジャーになったら」「ゾンビウイルスが蔓延したら」「ソーがひとりっ子として育ったら」といったバリエーションが次々と展開します。MCU本編を見ていれば「この世界線ではあのキャラがこうなるのか」という楽しみ方ができ、アクション寄りのエピソードから入れる間口の広さもありました。

ウォッチャーという視点

全エピソードの語り部として登場するのが、宇宙の観察者ウォッチャーです。どの世界線にも介入しないという誓いのもと、様々な現実を観察し続けるという設定が、各話の締めくくりに独特の余韻を生んでいます。シリーズが進むにつれてウォッチャー自身の立場が揺らいでいき、「観察者とは何か」という問いが全3シーズンを貫くテーマとして浮かび上がってきます。

3シーズンにわたる進化

2021年から2024年にかけて全3シーズン・26話で完結しています。シーズン1は独立した短編集としての性格が強く、シーズン2・3はビジュアルの質が大きく上がり、シーズンをまたいで積み重なるキャラクターの物語が前面に出てきます。シーズン2は2023年MCU作品の中で批評家から最高評価を得た一作でもありました。

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キャプテン・カーターという縦糸

シーズン1第1話で登場するキャプテン・カーターは、全3シーズンを通じて最も多く登場するキャラクターです。第二次世界大戦を戦うシーズン1から始まり、シーズン2ではヒドラ・ストンパーとの対決など複数のエピソードで物語を継続し、最終的にシーズン3の結末でも中心に据えられます。本シリーズが単なる「ひとつきりのif」を並べる作品ではなく、特定のキャラクターの変化を追う構造を持っていることが、カーターの存在感を通じてよく伝わりました。

シーズン1の名エピソード群

シーズン1で特に印象に残ったのが、ストレンジが事故で手ではなく恋人を失い、その死を変えようとして暗黒面に堕ちていく第4話です。何度繰り返しても変えられない「決定事象」という概念が持ち込まれ、愛するほど壊れていくという展開はアンソロジー形式の枠を超えた純粋な悲劇として機能していました。第5話のゾンビ回も、MCUヒーローたちが次々とゾンビ化する世界の異様な空気と、生き残ったスパイダーマン(ゾンビハンター・スパイディ)の奮闘が独特の熱量を持っていました。

ウルトロンとシーズン1フィナーレ

シーズン1後半はウルトロンが全インフィニティ・ストーンを手に入れ宇宙を制圧した世界線へと収束します。ウォッチャーの誓いが破られ、異なる世界線のヒーローたちが集まる「ガーディアンズ・オブ・ザ・マルチバース」が結成されるシーズン1最終回は、それまで散らばっていたアンソロジーの各話がひとつのクライマックスに向かって収束する構成の妙がありました。

シーズン2——質の飛躍と新たなキャラクター

2023年12月に一日一話ずつ配信されたシーズン2は、アニメーションのビジュアルが大幅に向上し、脚本の密度も増した印象がありました。新キャラクターとして「カホーリ」が登場し、ヨーロッパによる植民地化以前の北米にテッサラクトが落下したらという世界線が丁寧に描かれています。第8話の「もしもアベンジャーズが1602年に集結したら」はニール・ゲイマンの原作コミック『Marvel 1602』をもとにした回で、歴史的背景とMCUキャラクターの組み合わせが新鮮でした。最終回にはシーズン1で登場したストレンジ・スプリームが再登場し、カーターとカホーリを巻き込んだ決戦になります。

シーズン3——アガサ回と完結

最終シーズンのシーズン3で最も話題になったのが第2話「もしもアガサがハリウッドに行ったら?」です。アガサ・ハークネスが映画界に踏み込み、最終的にセレスティアルの力を吸収するという展開が、アニメならではの自由なビジュアルで描かれました。視聴者からは「シリーズ最高傑作回」とも評され、MCUアニメが実写本編と異なる表現の可能性を持つことを改めて示したエピソードでした。

ウォッチャーの変化と最終回の結末

シリーズフィナーレとなるシーズン3最終回では、ウォッチャー自身が他のウォッチャーたちから制裁を受け、キャプテン・カーターたちがその救出に向かいます。カーターは最終的にマルチバースを守るために力を尽くして倒れ、ウォッチャーは「観察するだけ」という立場から「能動的にマルチバースを守る者」へと変化します。3シーズンを通じて傍観者だった存在が当事者として立つという締め方は、シリーズ全体の問いへの答えとして機能していました。

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