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アラジン

あらすじ

アラビアンナイトの世界を舞台に、孤独な少年アラジンが魔法のランプのジーニーと出会い、ジャスミン王女との恋と悪の宰相ジャファーとの戦いに挑む1992年公開のディズニーアニメ。ロビン・ウィリアムズの怪演と名曲「ホール・ニュー・ワールド」で知られる傑作です。

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ロビン・ウィリアムズが変えたアニメーションの歴史

この映画をひとことで語るなら、やはりジーニーというキャラクターに尽きます。ロビン・ウィリアムズが声を担当したジーニーは、次々と別のキャラクターや著名人に変身しながら、メタなギャグや即興的なアドリブをまくし立てる存在として描かれています。当時これほど個性の強い俳優がアニメキャラクターの声を務めた例はほとんどなく、この起用がその後のハリウッドアニメで「スターが声優を担う」慣行を一気に広めたと言われています。ランプから飛び出してきた瞬間から画面の空気が変わるような、圧倒的なエネルギーがあります。

アラン・メンケンが生み出した名曲たち

「美女と野獣」に続いてアラン・メンケンが音楽を担当しており、劇中の楽曲はどれも耳に残ります。中でもアラジンとジャスミンが魔法の絨毯で夜空を飛ぶ「ホール・ニュー・ワールド」はアカデミー賞主演女優賞を受賞した楽曲で、今でもディズニー音楽の代名詞のひとつとして語り継がれています。ジーニーが歌うコミカルな「フレンド・ライク・ミー」や「プリンス・アリー」はロビン・ウィリアムズの芸風を最大限に活かした楽曲で、映像と歌が一体になっています。映画全体がミュージカルとしても成立していて、話の流れを曲が前に進めていく構成になっています。

自由と本物の自分であることのテーマ

アラジンは「ダイヤモンド・イン・ザ・ラフ(原石)」と呼ばれる存在として物語に登場します。彼が抱える葛藤の中心は、自分の素性を隠してジャスミンに近づくことへの罪悪感と、本当の自分では認めてもらえないという恐れです。同じように、城の外の世界を自由に生きたいジャスミンの視点と重なり合いながら、「本物である」ことの大切さが物語の軸になっています。ロン・クレメンツとジョン・マスカーが監督を務めたこの作品は、娯楽作品でありながら子どもが「自分らしくある」ことを自然に考えられる構造を持っています。

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願いと嘘が生む悪循環

アラジンがランプを手に入れた後、最初の願いで「アリ王子」に変身するのは自然な成り行きです。しかしジャスミンへの気持ちが本物になっていくにつれ、嘘で作り上げた自分を演じ続けることへの苦しさが増していきます。ジーニーはアラジンに「本当のことを話せ」と促しますが、アラジンはなかなか踏み切れません。3つしかない願いを使い切らないように温存しながら正体を隠そうとする焦りが、かえって状況を複雑にしていく展開はよく作られていると思います。

ジャファーの企みとアラジンの知恵

宰相のジャファーはランプを狙い続けており、アラジンが油断した瞬間にランプを奪います。ジャファーは最初の願いでサルタンに、次の願いで史上最強の魔法使いになるという力の追求を続けます。そこでアラジンが取る作戦は武力ではなく「言葉による罠」です。「世界最強の魔法使いよりも強い存在がいる。それはジーニーだ」とジャファーを煽り、「ジーニーになりたい」という願いを引き出すことに成功します。ジーニーになったジャファーは自らランプに封じられ、イアーゴも道連れになります。力ではなく知恵で局面を打開するこの流れが気持ちよかったです。

自由というテーマの着地

物語のもうひとつの軸であるジーニーの解放が、ラストにきちんと回収されます。アラジンはサルタンが結婚の規則を変えてくれたことで最後の1つの願いを使わなくてよくなり、その分をジーニーの解放に使います。ずっと「自由になりたい」と口にしながらも半ば諦めていたジーニーが、本当に解放される瞬間は見ていて素直に嬉しい場面でした。アラジンが「本物の自分」でジャスミンに選ばれ、ジーニーが自由を手にするという、二人の願いが同時に叶う結末になっています。30年以上経った今でも色あせない完成度を持つ一作です。

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